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首都高バトルXTREME ライバル辞典(仮)

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首都高バトル最新作、「首都高バトルXTREME」がリリースされてそろそろ三か月。

首都高バトルシリーズがモバイル向けにリリースされたことは過去にも何度かあったが、今回は据え置き機向けの作品の発売が途絶えてから数年ぶりのリリースとして否応にも注目が集まった。

まだ始まったばかりの作品であり、また自分は自覚があるほどの“信者”であるために、客観的な評価を下すことは難しく、そのためこの作品についての評価は差し控えさせていただくが、「元気らしさ」と言う点については不変であり、この点についてはもはや心配不要と言えるだろう。

 

さて、今回は自らへの備忘録としての意味を込めて本作のライバルリストをまとめようと思う。

なお、残念ながら現時点でこの作品にシナリオの回想機能などは実装されていないため、ライバルのフルネームなどを見落としている可能性があるが、ご了承頂きたい。

なお、記事の趣旨上、現在(2017年4月22日)配信されているシナリオ四章までのネタバレを含むため、ご了承いただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

ユイ/川端ユイ

所属:X TOKYO

愛車:Nissan Skyline GT-RBNR32/ユイ専用)

本作のナビキャラポジションにして、物語の鍵を握る謎多き人物。

首都高におけるレースを取り仕切る組織「X TOKYO」の一員であり、何らかの目的を持って主人公を含む首都高の走り屋たちと接触している。

過去に首都高で発生したアクシデントの再来を危惧する様子や、ワンダラーとの連絡手段を得ようとしているなど、不穏な動きも目立つが――。

 

サトル

所属:ドラゴンヘッズ

愛車:Nissan 180SX(KRPS13)

ユイと同様、チュートリアルで主人公と出会う若き走り屋。

<最速のルーキー>との称号を持ち、主人公をライバル視している。

ジョー率いる「荒らし」との対決や、ルシファー大塚追撃戦など、主人公と共闘する機会も多い。

ユイに好意を抱いているらしく、彼女にその気持ちを利用されることもしばしば。

 

カズヤ

所属:ヤーマン

愛車:Mitsubishi Lancer Evolution VI (CP9A

主人公の最初の壁として、自らのチーム「ヤーマン」を率いてバトルを挑んできた走り屋。

XTREMEの世界におけるチームステッカーのルール等を教え、自分を打ち破った主人公に“誇り”とも言えるチームステッカーを与えた。

なお、首都高で一番口が軽い男として有名。

 

アツシ

所属:元Hound Dog

愛車:Mazda CX-3(DK5AW)

チューニングショップのオーナーであり、主人公を含む、多くの走り屋たちの良き理解者。

マシンに対するモットーはカケルと正反対と言ってもよく、彼を目覚めさせるために主人公に彼とのバトルを依頼する。

かつて「荒らし」と呼ばれるX TOKYO非公式の走り屋たちに敗北を喫した経験を持ち、それを機に走り屋を引退した苦い過去を持つ。

 

カケル

所属:不明(恐らくROLLING GUY)

愛車:Toyota 86(ZN6)/Toyota Sprinter Trueno(AE86/「ROLLING GUY」仕様バイナル)

悪役……と言うより愛すべき小悪党といったイメージの若き走り屋。

彼の父親もかつて首都高の走り屋であり、その姿に憧れて自らも首都高を走る道を選んだ。

しかし、その父親が金満チームに敗北を喫して以来、バトルはマシンの性能が全てであり、勝つためならどんなチューンを施しても構わないとの歪んだ考えを持つまでに至ってしまった。

アツシの依頼により、主人公は彼とバトルをすることとなるが、残念ながら(?)その性格はさほど変わっていない様子。

ちなみに、彼のイラストはかつてモバゲーでサービスを提供していたソーシャルゲーム首都高バトルの「ローリング野郎1号」に酷似しており、VSイベントでは首都高バトルXの「ROLLING GUY NO1」仕様のバイナルを纏ったAE86に乗って現れるなど、彼の父親が「ローリング野郎1号」こと「小早川哲」であることを示唆するような描写が多々見受けられる。

 

久遠/久遠陽和

所属:久遠陽和

愛車:Nissan 180SX(KRPS13)

自らの名を冠したチーム「久遠陽和」のリーダーであり、「高い壁」とも呼ばれる男。

新進レーサーの実力を測るための昇格試験のような存在であり、彼もカズヤと同様、ユイの依頼により、主人公の前に立ち塞がった。

「久遠産業」と呼ばれる会社の代表でもあるらしく、ユイからの電話にはそちらの名義で応答した。

ちなみにサービス開始からわずかな期間だけ、彼が「大吉」と言う名で登場する機会があった。

 

カエデ/花山楓

所属:無所属→Butterfly Angel

愛車:Suzuki Alto Works(HA36S)

首都高で活躍するレディースチーム「Butterfly Angel」に憧れる駆け出しの走り屋。

かつて首都高で見たButterfly Angelの走りに一目惚れをし、自らもあんな風に走りたいと夢見ている。

しかし、現チームリーダーの美沙を含む同チームのメンバーからは入団を認められておらず、勝手にチームのカラーリングを模したステッカーを愛車に施す、ドライビングテクニックを磨きたいがために主人公に一方的に付きまとうなど、若さ故の無茶な行動も目立つ。

後に主人公や同チームナンバー2のチヒロの助けを借り、念願のButterfly Angel入りを果たした。

 

チヒロ

所属:Butterfly Angel

愛車:Eunos Roadster (NA6CE)

「Butterfly Angel」ナンバー2。

美沙とは正反対の印象を受ける温和な女性。

技術よりも「楽しむこと」を重視しており、主人公やカエデにもそれを理解させるために、アドバイスなどを行う。

実力主義に陥った美沙が楽しむことを忘れ、彼女やチームの姿が変わりつつあることを危惧している。

カエデの入団を賭けたバトルの際には意図的に手を抜き、彼女の入団を助け、そして美沙にも楽しむことの重要性を思い出させた。

 

美沙

所属:Butterfly Angel

愛車:Toyota 86(ZN6)

「Butterfly Angel」6代目リーダー。

伝統あるチームの看板を引き継いだプレッシャーからか、その誇りに恥じぬようにと、実力主義を掲げたが、結果としてチームに不和を招いてしまい、チームメンバーからは陰で嫌われている。

元々は「楽しそうな走り」をする走り屋であり、カエデもそんな彼女の姿に憧れていた。

カエデの入団を賭けたバトルでチヒロから楽しむことの重要さを説かれ、自らの考えが間違っていたことを認めた。

 

マサヤ

所属:Hound Dog

愛車:Mitsubishi Lancer Evolution X(CZ4A

アツシのかつての仲間であり、現「Hound Dog」リーダー。

成績が低迷し、X TOKYO公式チームから自らのチームが除外されることを危惧し、人望の厚かったアツシにチームへの復帰を望むが、断られてしまう。

主人公やサトルが「荒らし」にバトルを挑まれ、そしてそのリーダーがかつて自分たちに屈辱を与えたジョーであると知ると、チームの誇りを取り戻すべく、主人公に協力を申し出た。

 

ジョー/安岡城太郎

所属:“荒らし”

愛車:Nissan GT-R(R35)

X TOKYO非公式の走り屋集団「荒らし」のメンバー。

一見すると好青年だが、バトル前にターゲットを調べ上げ、さらに相手を疲弊させるために一方的な連戦を強いるなど、勝つためには手段を選ばない卑怯な面も目立つ。

また、首都高の走り屋を蔑視しており、小馬鹿にしたような言動を行うが、自らが敗北を喫した際にはそれまでの余裕は消え去り、逃げるように首都高を後にした。

なお、彼の台詞から「荒らし」を率いるボスが存在することが明らかとなっているが、その正体は定かではない。

 

ルシファー大塚/大塚一二

所属:無所属

愛車:Honda S660(JW5)

シリーズファンにはお馴染みの十三鬼将メンバー「ルシファー大塚」本人。

かつては黒いS2000を駆った彼も、本作では一度首都高を降りた身であるからか(もしくは未実装であるという大人の事情からか)同じホンダのオープンスポーツ、S660に搭乗して現れた。

本人曰く「現役だの引退だのという概念はない」そうだが、首都高に現れたのは10年ぶりらしく、彼の復帰を知ったカズヤは驚いていた。

ユイが探しているワンダラーの一人であり、彼女とも面識はあるようだが、その名を聞いた際には「くだらん女」と切り捨てた。

 

谷村カンナ/黒江世津子(ユウウツな天使)

所属:無所属

愛車:Toyota Prius(ZZW30)/Eunos Roadster(NA6CE)

ワンダラーに興味があるといい、主人公たちのワンダラー探しについてきた謎の女性……だが、その正体はかつての十三鬼将「ユウウツな天使」本人。

その通り名を彷彿とさせる過去作での性格はどこへやら、本作では陽気なムードメーカーとして主人公一行のワンダラー探しを盛り上げる。

「半分隠居した身」らしく、カンナの名やその明るい言動は自らがユウウツな天使であることを悟られないための演技だと思われるが、カケルと出会った際には主人公たちが近くにいるにも関わらず「懐かしい」「あの人の息子だ」と喜ぶなど、どこまでが演技なのか分からない面も。

ルシファー大塚と同様にユイの計画には興味がないらしく、主人公たちから手渡された、ユイの連絡先入りの携帯電話をゴミ箱に捨て、彼らの前から去った。

ちなみに、サービス初期には彼女の名前が「かんな」だった時期があるなど、若干の設定の変化があったことが見受けられる。

 

マキ

所属:無所属

愛車:Mazda Roadster(ND5RC)

「首都高レポーター」と呼ばれる、首都高で話題の走り屋や首都高で起こっているバトルをレポートする存在。

シナリオの要所要所で現れるが、彼女がどのような思惑を持って行動しているかについては一切不明である。

イベント「マキちゃん登場!with親衛隊」において、まさかのイベントボスとして登場。

バランス調整前の三章に次ぐスペックのモンスターマシンで現れた。

 

謎のGT-R軍団

所属:不明

愛車:Nissan Skyline GT-RBNR32)/Nissan Skyline GT-RBNR34)/Nissan GT-R (R35)

イベント「謎のGT-R軍団」で現れた、正体不明の謎の集団。

青い車体に「13」のステッカーを貼ったカラーリングは、首都高バトルでおなじみの走り屋「迅帝」を思い起こさせるが……。

 

YUHEI

所属:不明

愛車:Mazda RX-7FD3S

ゲリラボス(毎日10:00/15:00/19:00/23:00)として現れる走り屋の一人。

外国人にも見える筋骨隆々の姿に、拳のバイナルが描かれたFD3Sを駆る、インパクト抜群の走り屋。

バトル前のカットインからは彼もワンダラーの一人であることは分かるのだが、正体は未だ不明。

 

マイ

所属:不明

愛車:Suzuki Alto Works(HA36S)

ゴスロリ風の衣装を纏い、薔薇のバイナルに「Stella Binaria」と描かれたアルトワークスを駆る謎の走り屋。

彼女もまたゲリラボスの一人なのだが、どのようにして物語に関わってくるのかは不明である。

 

カオリ

所属:不明

愛車:Toyota bB(NCP35)

紫と金のツートンにヒョウ柄のバイナル、そして本人はいかにもなギャル風の姿をした謎の走り屋。

彼女もゲリラボスの一人だが、他のゲリラボスと同様、メインストーリーでは未だに姿を現していない。

愛車のバイナルに書かれた「Raven Cats」と言う文字からは彼女がこのチームに関係しているようにも思われるが……?

 

マスター

所属:不明

愛車:Mitsubishi Lancer Evolution X(CZ4A

曜日別バトルで現れる走り屋の一人。

「MOON RISE」の文字に魔法陣のようなバイナルが描かれたエボXに乗って現れる、その名の通りバーのマスターのようなルックスをした男性。

曜日別バトルのボスの中にはカンナやカズヤなど、メインストーリーで現れた者もいるため、彼も同様に主人公の前に現れる走り屋の一人であると思われるが、その正体は現時点では不明である。

 

リョウスケ

所属:不明

愛車:Subaru Levorg(VMG)

曜日別バトル及びVSゲストボスの一人。

パンク風の髪型にタトゥーを入れた今風の若者。

自らのタトゥーと同じ、トライバル風のバイナルを施したレヴォーグを駆るが、彼もまたストーリーに搭乗しておらず、その詳細は不明。

 

ミツコ

所属:不明

愛車:Toyota Prius(ZZW30)

曜日別バトルのボス。

マツコ・デラックスをモチーフにしたと思われる走り屋であり、車体に収まるのか心配になるほどの体躯が印象的。

愛車もそのルックスに負けず劣らずの派手なものであり、毒キノコなどを彷彿とさせる、赤地に白の水玉模様が嫌でも目立つ。

何故か彼女(?)だけ立ち絵が複数種類存在するが、やはりどのような形でストーリーに関わってくるかは不明である。

 

アカネ

所属:不明

愛車:不明

トーリー、ゲリラボス、イベントボス、ゲストボス等の形式では一切登場しておらず、現時点ではアバターとエリアバトル解説の漫画にのみ登場している謎の女性。

主人公に次ぐポジションでアバターが表示されていることから、本作のヒロインではないかと思われるが……。

Need for Speed(2015)に感じたこと

本来であればこのブログは最初の記事(つまり元気の話)を匿名で書き捨てることだけが目的だった。

誰にも読ませる気のない文章、言わばチラシの裏のようなものだ。しかし、世の中というのはわからないもので、こんな偏屈なブログですら見ている人がいて、そしてその声は元気にまで届いていた。

これは自分の想像を超えていたし、少しの怖さを覚えながらも、概ね肯定的な意見を頂いたことで自分と同じ考えの人がいることに安心できた。

あのまま匿名の一記事として置いておくことが最良の判断であり、この記事は蛇足となるかもしれないが、あの記事を書いた後に発売された、ある作品についての元気作品ファンの視点からの感想として書いておきたい。

 

自分は元気の作品について書いた記事の中で、現代の主流とも言えるレースゲームであり、そして決して元気の作品にはなりえない作品としてNeed for Speed(以下NFS)シリーズを紹介した。

あの記事を書いた時点での自分の中のNFSは最新作であった「Need for Speed Rivals」であり、その後に出た作品については全く情報がないまま、スーパーカーがメインだとかそう言ったことを書いていた。

しかし、昨今のhellaflushやstance、Bosozokuと言ったJDMカルチャーの火は衰えることを知らず、Hotwheelsのような世界規模のミニカーブランドや、ファッションなどの世界にも影響を及ぼした。そしてそれはレースゲームに関しても決して無関係とは言えず、13年前に発売された「Need for Speed Underground」以来とも言える、日本車中心、JDMカルチャーの影響を色濃く受けた最新作として、新たなNeed for Speedが世に放たれたのだ。

 

Need for Speed。原点とも言えるタイトルに立ち返ったこの作品は特定のサブタイトルを持たず、ファンの間では「NFS2015」の愛称で親しまれている。

だが、この作品はかつての同名タイトルとは異なり、スーパーカーはほんのわずかしか登場しない。その代わりに主役として返り咲いたのは、AE86180SXスカイラインGT-Rと言った日本車、すなわちJDMの象徴とも言えるマシンたちだ。

それだけではない。この作品では「アイコン」と呼ばれる各分野を代表する人物たちが登場するのだが、マグナス・ウォーカー、ケン・ブロック、リスキー・デビルと言った海外の有名人やチームと共に、日本からもRAUH-Welt(RWB)代表の中井啓氏及び、「諸星一家」で知られる、クレイジーなランボルギーニのオーナーである諸星真一氏がアイコンとして、プレイヤーの目指す目標として描かれているのだ。

偉大なるシリーズの最新作にして、かつてのUndergroundでも成しえなかった、より純粋なJDMを求めた作品。その拘りは作品の舞台である架空の都市ベンチュラ・ベイにも色濃く表れており、「洋ゲー」でありながら、極めて日本的な狭く、曲がりくねった峠がいくつも存在する。

ドリフトすることがやっとの狭い峠道には連続したヘアピンが待ち受け、路肩には犠牲者をあざ笑うかのようにカーブミラーがこちらを覗く。闇夜に浮かぶその姿は日本の峠ではないかと錯覚するほどに日本的であり、かつて「Forza Motorsport」シリーズに存在した架空の峠コースである「富士見街道」が一気に色褪せ、虚構の存在であると思い知らされるほどだ。

 

マシンは整った。日本の著名人も準備した。舞台は完璧だ。ではチューニングはどうか。ご安心を。こちらも素晴らしい。

車によって収録パーツに差があり、その中にははっきり言って恵まれていない車種もあるのだが、全体的に見るとこの作品のチューニング及びドレスアップは極めて満足度が高い。

パーツに関しては原則ポン付け、足回りとNOSのセッティングができる程度なのだが、ここ数年のNFSシリーズとは異なり、どの車でも一定以上のパフォーマンスに引き上げることが可能であるため、クリアのために乗りたくもないスーパーカーに乗り換えることなどは必要ではない。フェラーリが嫌いでAE86が好きなドライバーであれば、ずっとAE86を選択する自由が与えられるのだ。

そして、ドレスアップに関しては現世代のレースゲームの中では恐らく最良の作品と言い切ってしまっても問題はないだろう。実在のメーカーのエアロパーツやEAオリジナルのエアロパーツ(ただし、過去の作品の悪趣味で醜悪極まりないものではなく、現実的なもの)を選択でき、車によっては一体系のボディキットとして、フェイススワップを行うことすら可能であり、ホイールも最新のトレンドを抑えたものが収録され、タイヤもホワイトレターの有無や“引っ張りタイヤ”まで選択可能、さらに車高やキャンバー角、ツラと言ったドレスアップ好きには決して外せないものまで改造が可能となっている。

これらのドレスアップにより、オンラインでは同じ車を見ることはまずありえない。プレイヤーの数だけ、無数の改造車が存在しているのだ。

 

決して多くはないものの、定番車種を揃えたラインナップ。豊富なエアロパーツを筆頭とした、極めて自由度の高いカスタマイズ。そして通信環境の進化と、ハード性能の向上によって生まれた自由なオンラインでのクルージングおよび対戦。これらにより、この作品は「洋ゲー」でありながら、プレイヤーたちが集まり、自慢の愛車を魅せ合ったり、共にレースを楽しむ光景が日本でも数多く見られている。素晴らしいことだ。

しかし、ここまでこの作品を絶賛し、そして楽しんでいながらも、心の片隅には悔しさと寂しさ、そしてかつて夢見た未来への渇望が常に存在しているのもまた事実だ。

 

豊富な日本車と自由なカスタマイズ、それはかつての元気のお家芸だった。特にフェイススワップまで行うような極端なエアロパーツは「首都高バトルX」を思い起こさせる。

峠やハイウェイを舞台にしたストリートレースだってそうだ。深夜の峠で抜きつ抜かれつのハイスピードでのバトルを行う様はまるで「街道バトル」だ。

また、オンラインでの愛車の披露はカプコンから発売された「アウトモデリスタ」において、オンラインだから出来ることだとして、当時は強く印象に残り、そしてメーカー側もプッシュしていた。

洋ゲーにおいて日本文化を意識した結果の皮肉だろうか、NFS2015は極めて日本的な、そしてかつての和製作品が目指すはずだった未来を実現してしまったのだ。和製レースゲームの多くが死に絶えてしまった今、その未来は決して来ることのない、失われた未来だと思っていた。しかし、それは予想しない姿として目の前に現れた。それがたまらなく悔しく、そして寂しいのだ。

 

勿論、NFSは決して元気の作品にはなれないし、なる必要もないだろう。

例えばNFS2015においてもカーチェイスは存在し、「Most Wanted」等に比べれば幾分現実的ではあるものの、それでもパトカーに体当たりをし、検問を突破することを迫られる。

また、多くのキャラクターが存在するものの、NPCとしてレースに参加するキャラクターの殆どには名前以上のプロフィールはなく、彼(もしくは彼女)が何者であるかを知りえることは決してない。

そして何より、元気の作品のような「厨二病」的な要素は存在するはずもなく、まるでライトノベルの登場人物のような通り名を持つボスだとか、走っている最中に電光やオーラを放つ走り屋が出てくることはない。

このような要素がNFSに必要かと言われればNOと答えるし、こんな要素が入ったNFSは絶対にプレイしたくないが、もう二度とこのような要素を持った作品は現れないのではないかと感じることもまた事実だ。

 

元気の公式twitterは幸いにもまだ活動を続け、そしてかつてのファンや未来のファンとなりえるユーザーからの質問や意見も多く回収している。しかし、現実は決して元気のような規模のメーカーには優しくないだろう。現在の元気公式twitterのアンケートに集まった総数は未だ7000以下。公式が「失望した」と嘆くのも仕方のないことだ。

だが、元気は首都高バトル街道バトルの版権を手放そうとは考えておらず、いつか自社製の同作を蘇らせることを企業の夢として描いている。

NFS2015にも負けない、日本のメーカーだからこそ出せる素晴らしい日本の走り屋文化を描いた作品が復活することを願う熱い火は、ユーザーからも元気からも決して消えてはいない。

 

だからこそ、我々は夢を捨てないし、信じ続けることができる。

「若者の車離れ」だとかそう言った愚かなレッテルが叫ばれるこの時代だが、日本のユーザーが決してレースゲームを求めていないわけではない。

元気の作品でないことだけが残念だが、NFS2015の盛り上がりはそれを示している。

最後に、もしこの記事を見た方でtwitterをやっていない、もしくはまだ元気のtwitterアカウントのキャンペーンに参加していないと言う方がいれば、是非そのキャンペーンに参加し、協力してほしい。そして、可能であれば日本のみならず、知りうる限りの首都高バトル街道バトルファンにその存在を教えてほしい。

小さな行為かもしれないが、それが未来を繋ぐことになるかもしれない。

 

どうして僕らは元気のレースゲームにしがみつき新作を渇望するのか

 

先日、ゲームメーカーの元気がこのようなツイートをして話題となった。

元気といえば、「首都高バトル」で有名となり、同作品は一時期はグランツーリスモリッジレーサーと並ぶほどの日本製レースゲームのビッグタイトルでもあった会社だ。

しかし、首都高バトル系譜Xbox360で発売された「首都高バトルX」もしくはPS3で発売された「湾岸ミッドナイト」を最後に途絶えている。

これらの作品が悪かったから首都高バトルは消滅したのだ、と言う人もいるが、自分はこの二作品は必要以上にバッシングを受けていると思う。この件について語ると長くなる上に、嫌でも荒れる話題になるのでこの記事では触れないが。

そのような話よりも、このツイートが話題となり、そして「首都高バトル」復活と言う淡い夢を人々が何故信じ、そして願うのかと自分なりに考えてみたいと思う。

 

2000年代。今では信じられないが、この時代は日本製レースゲームにとっては一種の黄金期であり、そして終焉だった。

PS1の時代より進化したハード性能によるリアルなグラフィックや、100台を超える収録車種。やろうと思えばフリーロームも可能だった。「頭文字D」「湾岸ミッドナイト」に端を発した90年代の走り屋ブームは落ち着きを見せ、「HASHIRIYA」や「湾岸トライアル」のような独特の怪しさを持ったソフトは減ってしまったが、それでもまだレースゲームに活気があり、多くの作品が発売された。

そして、この時代は公道レースを題材とした日本製レースゲームにとっての最後の時代とも言える。

「峠3(峠R)」「バトルギア」「アウトモデリスタ」「首都高バトル」「街道バトル」「レーシングバトル」「頭文字D」「湾岸ミッドナイト」「ドリフトチャンプ」「族車キング」……他にもあるが、公道・もしくは公道を使用したサーキットと言う設定でのレースゲームが色々と発売された。

峠、首都高、市街地。現実ではご法度な行為も、ゲームの世界ならコースも車も自由に選んで走れたのだ。それらは「頭文字D」などの車漫画や「Option」のようなチューニングカー雑誌に触発されつつもまだ免許を持たない若者を虜にした。

実際自分もその一人であり、スポンサーのステッカーをベタベタと貼り、ホイール一つ自由に改造すらできないレーシングカーでサーキットをただグルグルと走るだけの真面目なレースゲームよりも、市販車を自由に改造し、そして深夜の公道を駆けるこちらに惹かれたものだ。

 

しかし、これらの作品は所謂「次世代機」の時代になると、そのほぼ全てが途絶えてしまう。

消滅した理由は多々あるので割愛するが、これらの作品に代わって現れた、もしくは勢力を増したのは大きく分けて三つの作品だ。

グランツーリスモ」「Forza Motorsport(Forza Horizon)」「Need For Speed」もはやこの三つの作品に対して説明は要らないだろう。勿論、これ以外の作品も発売されているが、少なくとも日本の家庭用ゲーム機においては、もはやこの三つの勢力が争っている三国志のような状態だ。

これらの作品はどれも一定以上のクオリティを満たしているし、それぞれのファンの満足度は概ね高い。では何故、そのような作品が出ているのに僕らは元気のゲーム、ひいては首都高バトルを望むのか。

まず、理由の一つとして挙げられるのが、Need For Speedを除いた作品が「上品な」レースゲームであることだろう。Forza Motorsportシリーズの番外編として位置付けされる、公道を舞台としたオープンワールドゲームの「Forza Horizon」もそうだが、これらの作品は全て「公道を封鎖したサーキット」「サーキット」「閉鎖されたフェスティバル会場(Horizon)」と、あくまでも合法的であり、アンダーグラウンドな公道レースではないとのポジションなのだ。それは車のカスタマイズにも現れ、例えば「グランツーリスモ」は比較的改造の自由度が高い「プレミアムカー」ですら、数種類のエアロ、合法的なスポイラー、純正とさほどサイズが変わらないホイール、ゲーム側で用意された色を使用したカラーリング程度だ。「Forza」シリーズはもう少し自由度があるが、それでもまだ大人しい。車をシャア専用ザクのようにしたり、ナンバーを付けたままパイクスピーク仕様のエアロにしたり……なんてことは夢のまた夢だ。

そして、サーキットである以上、アザーカーやパッシングからのバトルは望めない。(Horizonは例外だが)皆仲良くスターティンググリッドに並び、シグナルが青に変わったらアクセル全開。息が詰まるような狭いサーキットを規定周回周り、一番を目指す。勿論、これらがつまらないと言うわけではない。0.01秒を狙うタイムアタックは己との戦いであり、緊張感とスリルに包まれる。オンラインレースであればサーキットでも白熱したバトルになるだろう。しかし、公道ではないのだ。

 

では、公道が舞台の「Need For Speed」なら欲求を満たせるのか? これも答えはNOだ。確かに公道が舞台で、違法なストリートレースを行える。車のドレスアップもワイドボディ化や狂った扁平率や幅のホイールだって作品次第ではできる。しかし、こちらが元気作品の代用にはなれない。「洋ゲー」だからだ。

洋ゲーを批判するわけではない。しかし、洋ゲーにおけるストリートレースは日本とは考え方が違う。邪魔な一般車は破壊する勢いで押しのけ、追ってくるパトカーは破壊する。検問突破も朝飯前だ。これはこれで魅力はある。速く走ることよりも、警察の追跡をかいくぐり、いかに上手く逃げ切れるかを考える。一種の知力戦だ。

だが、これもまた首都高バトル的な路線とは違う。争う相手はライバルだけでいいのだ。

 

そして、これは三作品全てに共通することだが、収録車種に所謂「走り屋定番車種」が少なく、スーパーカーの比率が高い。よく世間では「グランツーリスモは日本車が多い」と言われるが、実際はそうでもない。PS2時代の遺産を引き継いでいるスタンダードカーなら「多い」に入るかもしれないが、AE86のレビン/トレノで言えば前期型の2ドアだけ、180SXに至っては後期型のType X(SR20DET搭載車)だけだ。そして、これらはスタンダードカーなのでエアロパーツを装着するなんてことはできない。元気作品のように後期改前期ルックなんてこともできやしない。Forza Motorsportは北米仕様や欧州仕様であることに目をつぶればXbox360で発売されたForza Motorsport 4まではそれなりに、むしろ現行モデルに関してはグランツーリスモよりも多く収録されていた。だが、どうしても日本専売車等には弱く、またハードが次世代機のXbox Oneになると、一度収録車種の整理を行った子により日本車は減り、残った車種もエアロパーツが大幅に削減された。そして、DLC等で増えたのはスーパーカーやフォーミュラカーだ。Need For Speedはどうか? これに関してはそもそも「日本車が減った」「日本車が無い」というのはお門違いだ。元々このシリーズはスーパーカーがメインであり、日本車は添え物程度。スポーツコンパクトシーンを題材にしたUndergroundシリーズが異常だっただけなのだ。

スーパーカーは悪くは無い。美しいデザインに300km/hも容易く出すスペック、全てが素晴らしい。だが、良くも悪くも純正の状態で完成されていて、手を加えにくい。おまけに、ライセンスの都合などで社外品のエアロパーツなどがあっても収録されない。さらに言うなら、日本の公道で走り屋が運転する車のイメージとはあまりにもかけ離れている。日本のストリートレースの世界では、未だにR34やスープラが現役なのだから。

 

ここまでは現在のレースゲームで主流となっている三本の作品についての「元気ゲーとは違う」箇所を使用して否定してきた。では次に、元気ゲーにおける他とは違った魅力を挙げていきたい。

 

まずはストーリー性。レースゲームにストーリーを求めるのか、と思う人もいるだろう。だが、公道のレースであればストーリー性は欲しいところだ。元気の作品、それも首都高バトルシリーズではドリームキャスト版からXに至るまで7年間、5作にも亘る壮大なストーリーが存在した。

例えば、シリーズ皆勤賞となる「死神ドライバー」と言う通り名のワンダラー(一匹狼の走り屋)について紹介すると、ドリームキャスト版では「環状線の四天王」としてプレイヤーの前に立ちはだかるボスの一人として登場する。しかし、この作品でプレイヤーに敗北したことにより、続編の首都高バトル2ではワンダラーに降格。ハードをPS2に変えた首都高バトルZEROでは事故を起こしたことで幽霊だと思われている描写があり、首都高バトル01では相変わらず死人だと思われ走り屋たちから不気味がられている存在とされ、首都高バトルXではまたもや事故を起こし、歴代シリーズで愛用していたS15からRX-8に車を変更。ついには完全に死人だと思われている扱いになってしまった。

これは一例だが、他の走り屋やチーム、首都高の勢力図に関しても7年間で変動し続けていたのが、首都高バトルシリーズの魅力のひとつだ。

 

次に、先ほどのストーリー性とも重なるが、首都高バトルにおけるライバルは「ただ倒せばいい雑魚」ではない。彼らはこの世界でそれぞれの人生を歩み、作品に登場した回数だけ彼らの物語がある。ある者は結婚し、ある者はチームリーダーの座を弟に譲り、ある者は復讐のために走り、そしてある者は命を落とす。それはゲーム中でRPGのイベントのように大きく扱われるものではない。多くて110文字程度の僅かなプロフィール欄の中で小さく書かれるだけだ。しかし、そうした小さな物語の積み重ねがプレイヤーに彼らをただのライバルではない、一人のキャラクターとして扱わせ、愛着や一種の懐かしさすら感じさせるのだ。

 

これもストーリー性の一つであり、また演出やゲーム性にも関係するが、元気のレースゲームはレースゲームとは思えないほど「厨二病」的であり、それも魅力であった。

 

2年前…

《最速》と呼ばれた1台のマシンが敗れ去った。

その名は【迅帝】

彼と共に首都高を支配していた十三鬼将も消え、

再び首都高を混沌が包み込む。

阪神、名古屋…

首都高の弱体化に呼応して、各地で新たな勢力が生まれつつあった。

 

首都高。

そこに足を踏み入れた瞬間、

理性は一瞬にして吹き飛び、

走りの本能が目を覚ます。

一度味わったら二度と忘れることので出来ない危険な媚薬。

奇跡の走り屋【ユウウツな天使】もまた、この場所に引きつけられ、戻ってきた。

ゆっくりと、確実に…

《伝説》への扉が開きはじめる。

 

これは首都高バトル01における、ゲーム開始~首都高選択でのムービーで流れる文章だ。普通に考えれば、レースゲームにこんなものは必要ではない。しかし、この演出が魅力の一つでもあった。ただの走り屋でありながら、まるで世界を救う英雄のような、非現実的な世界に引き込まれるのだ。そして、この演出はゲーム中のボスなどにも引き継がれ、登場シーンでは過剰な演出が行われ、一部のボスは走行中にオーラを放ち、また車から電撃や血のようなエフェクトを発するものすらいる。非現実的で、リアリティとはかけ離れた演出だが、これが公道を走ると言う行為を一種の幻想のようなものに見せる。

レースゲームでありながらRPGライトノベル的であり、それは他の作品が持っていない、もしくはかつて持っていたが、シリーズとしては途絶えてしまったものだった。

 

次に、元気の作品はスタッフの遊び心に溢れていた。分かりやすく言えば「パロディ」だ。例えば、首都高バトルの常連チームであった「DIAMOND IMAGE」はチームの存在そのものが「頭文字D」のパロディであり、チームリーダーの「イナズマシフトの拓也」はKAIDOやレーシングバトルなどの一部の作品では「稲妻工務店」や「藤田うどん店」などの文字が描かれたAE86トレノに乗って現れる。また、「紅の悪魔」と呼ばれるボスはシャア専用機をモチーフとした車で現れ、作品ごとにモチーフが違った。

これらは序の口であり、他のレースゲームから車漫画等、様々な作品のパロディ等が存在した。

こうした遊び心もかつては存在したが、今は忘れ去られてしまったものだ。

 

収録車種もそうだ。日本車が殆どだが、グレードの差異は他のゲームで見られる「見た目は殆ど変わらず、中身も差が全く無い」と言った手抜きではない。S13シルビアを例にすれば、CA18DE、CA18DET、SR20、SR20DET搭載車で差があった。他のゲームではないがしろにされがちな下位グレードも存在し、車種によってはその中でさらに前期と後期の違いもあったのだ。こうしたマニアックさがユーザーをくすぐり、自分だけの一台を見つける楽しみもあったのだ。

 

人は失ったものを大きく、そして素晴らしく感じてしまう。

しかし、そうした記憶の美化を除いても、僕らは今のレースゲームから失われてしまった元気のエッセンスを求め、そして渇望し、語り続けるのだ。

グラフィックの向上等のハードの進化により、開発費は高騰。元気のような中小メーカーが新作を出すことは絶望的で、叶わぬ夢を見ているのかもしれない。しかしそれでも僕らは同じ夢を見て、その夢が叶う日を待ち続けているのだ。

元気だけではない。「峠MAX」や「レーシングラグーン」「ゼロヨンチャンプ」「コードR」レースゲームの世界から失われた作品はあまりにも多い。そして、現在存在する作品は素晴らしいが、そのどれにもなることは決して出来ない。

 

もし、元気の首都高バトル新作計画が実行に移され、僕らが好きだった作品が帰ってくる日が来るのだとすれば。願わずにはいられない。